日本でアプリ・ゲームのユーザーを獲得する方法|
TikTok・TikTok Ad Network(旧Pangle)・
計測ツールの実務とCPIの目安
日本のモバイルゲームのアプリ内課金収益は100億ドルを超え、アジアで2位です。ただし、本国と同じ設定・同じクリエイティブで配信しても、日本では思うようにCPIが下がらないことがよくあります。本記事では、日本と海外で縦型動画の制作と広告運用を担当してきたZVAが、日本でアプリ・ゲームのユーザーを獲得するための実務をまとめます。ジャンル別のCPIの目安、iPhoneの比率が高い日本ならではの計測の注意点、TikTokとTikTok Ad Network(旧Pangle)の使い分け、入札の進め方、計測ツールとの連携、成果を分けるクリエイティブの考え方までを扱います。
この記事のポイント
- 日本のモバイルゲームの課金収益は100億ドル超でアジア2位。ダウンロード数より、1人あたりの課金額で稼ぐ市場
- CPIの目安はゲーム300〜2,000円、マッチング1,000〜3,000円、エンタメ400〜1,000円、ポイ活200〜400円(ZVAの運用実績に基づく一例)
- iPhoneは新規出荷の約半分、20代の約7割。iOSの計測はTikTok・Meta・Googleで影響の出方が違うため、媒体ごとの仕組みを踏まえて判断する
- 入札はインストール → アプリ内行動(AEO) → 課金額(VBO)の順に進め、最後は日本向けクリエイティブの質と量で差がつく
日本は、アプリ・ゲームのユーザー獲得で外せない市場
出典:Sensor Tower「State of Japan Gaming 2026」(2026年9月)
Sensor Towerの「State of Japan Gaming 2026」によると、2026年7月までの12か月間で、日本のモバイルゲームのアプリ内課金収益は100億ドル(約1兆5,600億円)を超え、中国のiOS市場に次いでアジアで2位でした。前年比では5.1%減ったものの、韓国の2倍超、台湾の約4倍の規模です。一方でダウンロード数は約5億8,500万件(前年比5.4%減)で、少ないインストールから大きな売上が生まれる市場だと言えます。
ゲーム以外でも、2026年上半期のアプリのインストール数は前年同期比4%増えています。ゲームの継続率も、初日24%→26%、7日目9%→11%、30日目3%→4%と改善しました(Sensor Tower × Adjust「モバイルアプリトレンド2026:日本版」)。
日本は「インストール数より、1人あたりの課金額で稼ぐ」市場です。CPIだけでなく、課金やリテンションまで見て獲得を設計する必要があります。
日本のCPIの目安(ジャンル別)
ZVAが日本で運用してきた実績から、ジャンル別のCPIの目安をまとめます。
出典:ZVAの運用実績に基づく目安(2026年時点)。あくまで一例で、タイトル・目的・配信媒体・時期によって大きく変わります。クリエイティブや運用の条件によっては、この目安より安く獲得できることもあります。
| ジャンル | CPIの目安 | 差が出るポイント |
|---|---|---|
| ゲーム | 300〜2,000円 | タイトルや目的で大きく変わる。ハイパーカジュアルは低め、課金型のRPGは高め |
| マッチング・デーティング | 1,000〜3,000円 | ターゲットの性別・年代と、審査の厳しい訴求表現の影響を受けやすい |
| チャット・ショートドラマ等のエンタメ | 400〜1,000円 | 作品やキャラクターの見せ方で冒頭の視聴維持率が大きく変わる |
| ポイ活アプリ | 200〜400円 | 「得をする」訴求との相性が良く、比較的低いCPIで獲得しやすい |
CPIは目的とセットで見る:課金型のゲームでは、CPIが高くても課金ユーザーが多く取れていれば十分に回収できます。逆にCPIが安くても、課金やリテンションが伴わなければ赤字になります。後述する入札の考え方(AEO・VBO)とあわせて判断してください。
日本ならではの前提:iPhoneの利用者が多く、iOSの計測は媒体ごとに影響が違う
出典:NTTドコモ モバイル社会研究所(2026年1月調査、15〜79歳)、MM総研(2025年度の出荷台数)、StatCounter Global Stats(2026年9月)。いずれもiPhone(iOS)の割合。
日本のiPhoneの比率は、何で測るかによって見え方が変わります。保有している端末ではiPhoneが44.6%とAndroidをやや下回りますが、新しく出荷される端末の約半分(51.6%)はiPhoneで、Web閲覧の比率では6割をiOSが占めます。年代差も大きく、20代では約7割がiPhoneです。若年層を狙うアプリほど、iPhoneでの計測が成果を左右します。
iPhoneの広告計測は、Appleのトラッキング許諾(ATT)と、プライバシーに配慮した計測の仕組み(SKAdNetwork、後継のAdAttributionKit)のルールに従います。ただし、その影響の出方は媒体ごとに違います。
| 媒体 | ほぼリアルタイムで見えるもの | 遅れて・まとめて届くもの |
|---|---|---|
| TikTok | 「iOSリアルタイム計測」を使うと、キャンペーン・広告グループ・広告の単位でほぼリアルタイムに成果が見え、目標単価やROASでの入札ができる(計測ツール側のデータ共有設定が必要) | SKAdNetworkを使う専用キャンペーンは、成果の反映に最大72時間の遅れ。72時間待ってから評価することを推奨 |
| Meta | 集計型のイベント計測(AEM)は「ほぼリアルタイム」で、欠けたデータは統計的に補完される | SKAdNetworkによる成果は最低24時間の遅れ。iOS 14以降の専用キャンペーンは任意になった |
| 管理画面ではほぼリアルタイムの数値はなく、即時性の高いデータ(ICM)は計測ツール側の画面でのみ確認できる | 管理画面の成果は推計値が中心で、最大5日の遅れ。SKAdNetworkのレポートは30日ごとの確認を推奨。AdAttributionKitには未対応 |
出典:TikTok・Meta・Googleの各公式ヘルプ(2026年10月確認)。仕様は変更される場合があります。
Appleの仕組みでは、成果は初回起動から0〜2日、3〜7日、8〜35日の3つの期間に分けて返り、1回目は24〜48時間、2〜3回目は24〜144時間の遅れが入ります(Apple公式ドキュメント)。トラッキングを許諾するユーザーは世界全体で50%です(AppsFlyer、2025年4月)。
iPhoneの成果は、媒体によって「すぐ見える」ものと「遅れて粗く届く」ものが違います。媒体ごとの計測の仕組みを理解したうえで、計測ツールの数値とあわせて判断することが欠かせません。
TikTokとTikTok Ad Network(旧Pangle)の使い分け
日本でアプリのユーザーを獲得するとき、中心になるのがTikTokの広告です。TikTokのフィード(おすすめ)に出す広告と、TikTokの提携アプリに配信するTikTok Ad Network(旧TikTok Pangle)を使い分けます。
| 項目 | TikTok(フィード) | TikTok Ad Network(旧Pangle) |
|---|---|---|
| 配信先 | TikTokアプリのおすすめフィードなど | TikTokと提携するゲーム・ツール系などのアプリ。世界で約40万アプリ、1日の到達規模は10億人超(TikTok公式、2026年9月) |
| 主な広告形式 | 縦型の動画広告(インフィード) | インタースティシャル、リワード(動画視聴で報酬)、ネイティブ、バナー、アプリ起動時、アイコン |
| 向いている用途 | 訴求を伝えて「欲しい」と思わせる。勝ちクリエイティブを見つける場 | ゲーム好きのユーザーに広く届けて、インストールの量を伸ばす |
TikTokの自動化キャンペーン「Smart+」のアプリ向けでは、iOSはTikTokとLemon8に、AndroidはTikTok・Lemon8・TikTok Ad Network(利用できる地域)に自動で配信されます。Smart+で価値(課金額)を最大化する入札が使えるのはAndroidのみです(TikTok公式ヘルプ、2026年8月)。
入札の考え方:インストール → アプリ内行動 → 課金額
TikTokの公式ヘルプでは、AEOは「価値の高いアプリ内行動を取りそうなユーザーに最適化する」入札、VBOは「ユーザーの長期的な価値(LTV)を最大化する」入札と説明されています。VBOを使うには、アプリ内課金や広告収益の金額データをTikTokに送る必要があります。日本は1人あたりの課金額が大きい市場なので、データが貯まったら早めにAEO・VBOへ移ることが、ROAS(広告費の回収率)を上げる近道です。
ZVA の制作・運用サービス
アプリ・ゲームの日本向けクリエイティブと運用を、まとめて
日本向けの縦型動画の制作から、TikTok広告・Meta広告・Google広告の運用まで担当します。成果報酬型のプランもあります。
料金と進め方を見る →計測ツール(AppsFlyer・Adjust)とTikTokの連携
日本でアプリ広告を運用する場合、計測ツール(MMP)とTikTokの連携が前提になります。主な設定項目を公式ヘルプからまとめます。
| ツール | 連携方式 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| AppsFlyer | TikTok for Business の Advanced SRN連携(パートナーID:tiktokglobal_int) | クリックとビュー(視聴)の両方で計測。TikTokはクリック後のインストール計測期間を7日にすることを推奨 |
| Adjust | TikTok For Business の SAN(自己申告型ネットワーク)連携 | TikTokのアプリIDと、Adjust SDK v4.0.0以降が必要 |
その他の計測ツールにも対応:ZVAはAppsFlyer・Adjustのほか、Airbridge・Branch・Kochava・Singular・Tenjinなど、主要な計測ツールとの連携にも対応しています。
連携前のチェック:計測したいアプリ内イベント(課金・登録・チュートリアル完了など)の名前と送信タイミングを、計測ツールとTikTokの両方で揃えておきます。ここがずれていると、AEO・VBOの最適化が正しく働きません。
成果を分けるのは、日本向けのクリエイティブ
入札や計測の設定は、どの会社でも大きな差はつきません。最後に成果を分けるのは、日本の視聴者に向けたクリエイティブの質と量です。
| ZVAの事例 | 改善前 → 改善後 | 主な打ち手 |
|---|---|---|
| 海外のモバイルゲーム会社 | CPI $12 → $3.8 課金ROAS 翻訳版の12倍 | 翻訳版から、日本人演者による日本向けの新規制作(3本→12本)に切り替え |
| ユーティリティアプリ | CPI 1,500円 → 245円 月間インストール6倍以上 | 訴求軸の徹底分析と、高速なクリエイティブPDCA |
日本向けクリエイティブの作り方は日本向け縦型動画広告のローカライズ実務ガイドで詳しく解説しています。
まとめ
日本は、ダウンロード数は伸び悩む一方で課金収益はアジア2位という、1人あたりの価値が高い市場です。CPIの目安はジャンルによって200円台から3,000円まで幅があり、iPhoneの比率の高さからAppleの計測ルールへの対応も欠かせません。TikTokとTikTok Ad Networkを使い分け、計測ツールと正しく連携したうえで、インストールからアプリ内行動、課金額へと入札を進めていくのが基本の流れです。
そして最後に成果を分けるのは、日本向けのクリエイティブです。ZVAは日本と海外(米国・中国・韓国・トルコ)で縦型動画を制作・配信してきたグローバルチームとして、日本向けの台本・撮影・編集から広告運用まで一貫して担当します。
参考資料・出典
- Sensor Tower「State of Japan Gaming 2026」(2026年9月)
- Sensor Tower × Adjust「モバイルアプリトレンド2026:日本版」(2026年7月)
- NTTドコモ モバイル社会研究所:スマートフォンOS比率(2026年3月19日)
- MM総研:2025年度 国内携帯電話端末の出荷台数(2026年5月14日)
- StatCounter Global Stats:日本のモバイルOSシェア
- Apple Developer:SKAdNetwork の複数の計測期間とポストバック
- Apple Developer:AdAttributionKit
- AppsFlyer プレスリリース(2025年4月24日)ATT許諾率
- TikTok Business ヘルプセンター:TikTok Ad Network(旧TikTok Pangle)
- TikTok Business ヘルプセンター:TikTok Ad Network の広告フォーマット
- TikTok Business ヘルプセンター:Smart+ アプリキャンペーン
- TikTok Business ヘルプセンター:App Event Optimization
- TikTok Business ヘルプセンター:Value-based Optimization(アプリ)
- TikTok Business ヘルプセンター:iOS 14以降の専用キャンペーンのレポート
- TikTok Business ヘルプセンター:iOSリアルタイム計測
- Meta ビジネスヘルプセンター:集計型イベント測定(AEM)のレポート
- Meta ビジネスヘルプセンター:SKAdNetworkのレポート
- Meta ビジネスヘルプセンター:iOS 14以降のキャンペーン
- Google 広告ヘルプ:iOSのアプリキャンペーンの計測
- Google 広告ヘルプ:iOSのアプリキャンペーンのベストプラクティス
- AppsFlyer ヘルプ:TikTok for Business Advanced SRN 連携
- Adjust ヘルプ:TikTok For Business(SAN)の設定
数値は各出典の公表時点のものです(2026年10月確認)。CPIの目安と事例はZVAの運用実績に基づくもので、タイトル・目的・時期により変わります。各プラットフォームの仕様は変更される場合があるため、最新の公式ヘルプをご確認ください。