縦型動画広告の制作費相場|
1本あたりの費用と本数別パッケージ比較
縦型動画広告の制作を外注しようとしたとき、最初に気になるのが費用感です。「1本いくらが相場なのか」「本数をまとめて発注したら単価はどこまで下がるのか」「単発と月額固定ではどちらが得なのか」といった疑問に対して、本記事では市場相場と制作会社タイプ別の費用感、そしてコストを抑えるための実践的なポイントまで網羅的に解説します。
この記事のポイント
- 縦型動画広告の1本あたり相場は、単発1〜50万円、パッケージ3〜10万円、月額固定2〜8万円と依頼形態で大きく異なる
- 本数が増えるほどスケールメリットで単価は下がりやすいが、量産体制を持たない制作会社では下がりにくい
- コストを抑える最大のポイントは、UGC風撮影の活用・本数の集約・縦型特化型の制作チームの選定・成果報酬型の採用
縦型動画広告の制作費が変動する理由
縦型動画広告の制作費は、一言で「相場はいくら」と言いにくい領域です。同じ1本の動画でも、依頼先や撮影手法、本数、契約形態によって1万円から50万円まで大きく開きがあります。まずは、費用が変動する主な要因を整理しておきましょう。
費用を左右する5つの要因
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼先のタイプ | 映像制作会社・広告代理店・縦型特化型チームのどこに頼むかで、基礎単価が2〜5倍変わります |
| 撮影手法 | スタジオ撮影+プロ機材か、スマホ撮影によるUGC風かで、1本あたりのコストが3〜10倍違います |
| 演者の有無と規模 | 演者なしの素材動画、一般演者、タレントやインフルエンサー起用で大きく変動します |
| 本数 | 1本単発か、10本・50本・100本といったロットかでスケールメリットが効きます |
| 契約形態 | 単発・パッケージ・月額固定・成果報酬の4種類があり、それぞれ費用の積み上げ方が異なります |
この5つの掛け合わせで最終的な制作費が決まります。「1本いくら」だけで比較するのではなく、自社の広告運用の前提(本数・継続期間・撮影スタイル)に照らして総額を把握することが、適正価格を見極める鍵です。
1本あたりの費用相場
まずは1本あたりの単価を、契約形態別に整理します。以下はあくまで一般的な市場相場であり、商材や制作会社によって幅があります。
| 契約形態 | 1本あたりの目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 単発発注(映像制作会社) | 10〜50万円 | クオリティ重視。テスト量は確保しにくい |
| パッケージ(10〜30本) | 3〜10万円 | 一定の量産テストが可能 |
| 月額固定(月10〜30本) | 2〜8万円 | 継続的なPDCAに最適 |
| UGC風スマホ撮影 | 1〜3万円 | 機材コストを抑え大量生産に向く |
| 成果報酬型 | 制作費は実質ゼロ | 成果発生時のみ費用発生 |
注目すべきは、同じ「縦型動画広告1本」でも、選ぶ契約形態で単価が20〜50倍変わるという点です。クオリティと量産性のトレードオフを正しく理解した上で、自社の目的に合ったモデルを選ぶ必要があります。
本数別のパッケージ費用
縦型動画広告は「何本発注するか」によって1本あたりの単価が大きく変わります。本数を増やすことでスケールメリットが働き、単価は逓減していきます。
5〜10本規模
初期検証や小規模テストに適した本数です。1本あたり5〜10万円が目安で、総額は30〜100万円程度。訴求軸を2〜3パターン、フックを5〜10パターン試す程度の検証が可能です。ただし、縦型動画広告の勝ちパターンを見極めるには本数不足になりがちで、「どれが当たりでどれがハズレか」の結論が出ないまま予算を使い切るリスクもあります。
20〜30本規模
本格的なテスト運用が始められる本数です。1本あたり4〜7万円、総額は80〜200万円程度。訴求軸×フックの組み合わせを20通り以上試せるため、勝ちパターンを数値で特定できる水準に近づきます。最初の発注としては、この規模を推奨する制作会社が多いです。
50〜100本規模
量産運用のスタンダードな本数です。1本あたり2〜5万円まで下がり、総額は100〜500万円程度。勝ちパターンが明確になり、改善版や横展開版の量産も並行して進められます。クリエイティブファティーグ(疲弊)を考慮すると、月間30〜50本を継続投入できる体制が理想です。
100本以上
成果が出ている案件で追加投資する規模です。1本あたり1.5〜3万円まで下がるケースも珍しくありません。この規模になると、制作会社が台本・撮影・編集を完全にラインプロセス化して運用しているため、単価の下げ幅が大きくなります。
スケールメリットが出ない会社に注意:量産体制を持たない制作会社の場合、本数を増やしても1本あたりの単価がほぼ下がらないケースがあります。発注前に「50本発注した場合の単価」「100本発注した場合の単価」を必ず見積もり依頼し、本数によるディスカウント幅が十分にあるかを確認してください。
単発発注 vs 月額固定の比較
よくある迷いどころが「単発で本数を積み上げる」のと「月額固定で継続発注する」のどちらが得か、という点です。それぞれの特徴を整理します。
単発発注のメリット・デメリット
単発発注は、必要なタイミングで必要な本数を発注するモデルです。メリットは予算の柔軟性で、案件の立ち上げ初期や、特定キャンペーンに合わせた集中制作に向いています。一方で、デメリットは都度発注のたびに単価が高くなりやすい点と、制作会社側のリソース確保が都度判断になるため納期が読みにくい点です。
月額固定のメリット・デメリット
月額固定は、毎月決まった本数(例:月20本)を定額(例:月80万円)で制作するモデルです。メリットは予算管理のしやすさと単価の低さ。制作会社側もリソースを先に押さえられるため、単価を下げて提示しやすくなります。デメリットは最低契約期間(3〜6か月)が設定されるケースが多い点と、月額の中にどこまで含まれるか(台本・撮影・編集・修正・レポート)を明確にしないと追加費用が発生するリスクがある点です。
どちらを選ぶべきか
判断基準はシンプルです。3か月以上の継続運用を想定しているなら月額固定、短期検証なら単発。縦型動画広告は量産とPDCAが前提の広告手法であり、ほとんどの案件は3か月以上の継続運用を行うため、結果的に月額固定のほうがコスト効率が良くなります。
制作会社タイプ別の費用感
同じ「縦型動画広告1本」を発注しても、依頼先のタイプによって単価は2〜5倍異なります。
映像制作会社
テレビCMやブランド動画を手がけてきた映像プロダクションは、縦型動画広告を受託する場合も自社の品質基準に沿った制作を行うため、1本10〜50万円が相場です。映像クオリティは高いものの、量産性とコスト効率の両面で縦型動画広告の特性には必ずしもマッチしません。
広告代理店(制作も対応)
広告運用と制作を一括受託する代理店では、1本5〜20万円が目安です。メディアプランニングから運用まで一気通貫で対応できる点は強みですが、制作を外部委託しているケースが多く、その場合は中間マージンが上乗せされます。
縦型動画広告特化型の制作チーム
量産体制・UGC風クリエイティブ・PDCA運用を前提に組織されたチームです。1本2〜8万円が相場で、本数をまとめれば1〜3万円まで下がります。縦型動画広告のコスト効率とスピードを最大化したい場合は、このタイプが最適です。
成果報酬型の制作チーム
広告の成果(インストール・申込み・購入など)が発生した時点で初めて費用が発生するモデルです。初期制作費は実質ゼロのため、広告主のリスクを最小化できます。制作会社側も成果が出なければ収益にならないため、クリエイティブの品質向上へのインセンティブが自然に働きます。
見積もりで確認すべき項目
制作費の見積もりを受け取ったら、「1本あたりいくら」だけでなく、以下の項目が含まれているかを必ず確認してください。抜けている項目があると、後から追加費用が発生します。
- 企画・台本費台本作成が基本料金に含まれているか、別途請求か
- 撮影費スタジオ代・機材代・演者費・交通費が含まれるか
- 編集費テロップ・BGM・SE・カラーグレーディング等の範囲
- 修正費修正回数の上限と、上限を超えた場合の追加料金
- 素材ライセンス費BGM・フォント・ストック素材の使用料
- 演者の肖像権使用料使用期間・媒体範囲・延長料金
- 納品・入稿費広告マネージャーへの入稿代行の有無
- レポーティング費運用データの分析・改善提案が含まれるか
これらをすべて含めたトータルコストで比較することで、「見積もりの1本単価は安いが、実際の総額は高い」という落とし穴を避けられます。
制作費を抑えるための4つのポイント
縦型動画広告のコストを適正化するための、実践的なポイントを4つ紹介します。
1. UGC風撮影を活用する
スマートフォンで撮影するUGC風の動画は、スタジオ撮影よりも機材費・人件費を大幅に抑えられます。しかも、縦型動画広告ではUGC風のほうが成果が出やすいケースが多く、コストダウンと成果向上を同時に実現できます。プロっぽい作り込みよりも、ユーザーの視点に近い自然な映像のほうが、スワイプを止める力が強いためです。
2. 本数をまとめて発注する
同じ月に5本ずつ10回発注するより、最初から50本まとめて発注するほうが単価は大幅に下がります。制作会社側が台本・撮影・編集のスケジュールを一括で組めるため、スケールメリットが働くからです。継続運用を前提とするなら、3か月分をまとめて発注する形も有効です。
3. 縦型特化型の制作チームを選ぶ
映像制作会社や一般的な広告代理店よりも、縦型動画広告に特化したチームのほうが量産とコスト効率の両面で優位です。ラインプロセス化された制作体制、プラットフォーム固有のナレッジ、PDCA運用のノウハウがすべて単価の低下とスピードアップにつながります。
4. 成果報酬型を選ぶ
初期制作費をゼロに抑えられる成果報酬型は、広告主にとって最もリスクの低いモデルです。「テスト段階で予算を使い切ってしまった」というリスクを避けられるだけでなく、制作会社側も成果を出さなければ報酬が発生しないため、成果へのコミット度合いが構造的に高くなります。
ZVAなら最短ご発注から3営業日で広告配信を開始でき、1か月で59本のクリエイティブを制作・配信した事例もあります。テスト段階のコストリスクを負わずに、縦型動画広告を始められます。
制作会社の3つのタイプ
縦型動画広告の制作を請け負う会社は、大きく3つのタイプに分類できます。それぞれの特徴を理解した上で、自社の目的に合った依頼先を選ぶことが重要です。
タイプ1:映像制作会社
テレビCM、ブランド動画、イベント映像などを手がける映像プロダクションです。映像のクオリティは高い一方で、縦型動画広告に求められる量産対応や高速PDCAには不向きなケースがあります。1本あたりの制作コストが高くなりやすく、「1本の完成度は高いが、テスト量が確保できない」という状況に陥りがちです。
タイプ2:広告代理店(動画制作も対応)
広告運用と制作を一括で受託する代理店です。メディアプランニングから制作・運用まで一気通貫で対応できる点が強みです。ただし、制作部分は外部の制作会社に再委託していることも多く、その場合はコストが上乗せされたり、コミュニケーションのラグが生じたりする可能性があります。
タイプ3:縦型動画広告特化型の制作チーム
TikTok・Reels・Shorts向けの縦型動画広告に特化した制作チームです。量産体制・UGC風のクリエイティブ制作・PDCA運用を前提として組織が設計されているため、縦型動画広告の成果を追求する場合には最も適したパートナーです。プラットフォームのトレンドや勝ちパターンのナレッジが蓄積されている点も大きな利点です。
比較すべき5つのポイント
制作会社を選定する際には、以下の5つの観点で比較することをおすすめします。
1. 実績と専門性
「動画制作の実績がある」だけでは不十分です。縦型動画広告の実績があるかを必ず確認しましょう。特に、自社と同じ業種・同じKPI(CPI・CPA等)での実績があるかどうかが重要です。実績をヒアリングする際は、具体的な数字よりも「どのような仮説で制作し、どう改善したか」のプロセスを聞くと、実力が見えてきます。
2. 制作体制
台本は誰が書くのか、撮影は自社スタジオか外部委託か、編集体制は何名か。制作のボトルネックがどこにあるかを事前に把握しておくことで、納期遅延や品質のブレを防げます。特に台本作成は縦型動画広告の成果を最も左右する工程なので、台本の作成プロセスと品質管理体制は入念に確認すべきです。
3. クリエイティブ本数の対応力
月に何本の制作に対応できるかは、制作会社によって大きく異なります。月5〜10本が上限の会社もあれば、月100本以上の量産に対応できるチームもあります。縦型動画広告は量産が前提の広告手法です。自社が必要とする本数に余裕をもって対応できるかを確認しましょう。
4. PDCA対応(効果検証と改善提案)
制作して納品したら終わり、ではなく、配信後のデータを分析し、次のクリエイティブに反映できるかが極めて重要です。フック率・完視聴率・CTR・CVRなどの指標を基にした改善提案をしてくれるかどうか、レポーティング体制があるかどうかを確認してください。
5. 費用体系
費用体系は会社によって大きく異なります。次のセクションで詳しく解説しますが、「1本あたりの単価」だけで比較するのは危険です。PDCA費用や修正費用が別途発生するかどうか、トータルコストで比較するようにしましょう。
費用相場の比較
縦型動画広告の制作費用は、依頼先のタイプと契約形態によって大きく変動します。主な費用体系を4つに分けて整理します。
1本単価型
映像制作会社に多い形態です。企画・撮影・編集込みで1本あたり10〜50万円が相場です。クオリティは高い傾向にありますが、テスト量を確保しにくい点がデメリットです。予算100万円で2〜10本しか作れないため、十分なPDCAが回せません。
パッケージ型
10〜30本をまとめて発注するプランです。1本あたり3〜10万円程度に単価が下がります。ある程度の量産テストが可能になりますが、追加発注時の単価や修正対応の範囲は事前に確認が必要です。
月額固定型
月額30〜100万円で、毎月一定本数のクリエイティブを制作するモデルです。予算管理がしやすく、継続的なPDCAに適しています。ただし、月額の中にどこまで含まれるか(台本・撮影・編集・修正・レポート)は会社によって異なるため、契約前にスコープを明確にしましょう。
成果報酬型
広告の成果(インストール・登録・購入など)が発生した時点で初めて費用が生じるモデルです。初期費用がゼロまたは極めて低いため、広告主のリスクを最小限に抑えられます。制作会社側も成果を出さなければ収益にならないため、クリエイティブの品質向上へのインセンティブが自然と働きます。
成果報酬型のメリット:ZVAでは、縦型動画広告の制作から運用までを成果報酬型で提供しています。最短ご発注から3営業日で広告配信を開始でき、1か月で59本のクリエイティブを制作・配信した事例もあります。
制作フローの典型
縦型動画広告の制作は、一般的に以下の6ステップで進行します。依頼先によってステップの粒度や所要日数は異なりますが、大枠のフローは共通です。
- ヒアリング・案件理解商材の特徴、ターゲットユーザー、KPI、レギュレーション(NG表現等)を共有。制作会社側が競合調査やプラットフォーム分析を行うケースもあります
- 台本作成訴求軸・ターゲット×フック(冒頭の掴み)の組み合わせで複数パターンの台本を設計。量産型のチームでは、この段階で数十〜数百本の台本を一括作成します
- 撮影・素材制作演者を使った実写撮影、スマートフォン撮影によるUGC風素材、素材動画の組み合わせなど、訴求に合わせた手法で制作。縦型動画では「作り込みすぎない」ことがポイントです
- 編集・仕上げテロップ挿入、BGM・SE付け、カット編集、エフェクト追加。プラットフォームの推奨フォーマット(尺・解像度・セーフゾーン等)に準拠して仕上げます
- 納品・入稿完成した動画ファイルを広告主または運用担当に納品。広告マネージャーへの入稿代行まで行う会社もあります
- 効果検証・改善配信データ(フック率・完視聴率・CTR・CVR・CPA等)を分析し、次のクリエイティブ制作にフィードバック。このサイクルの速さが成果を分けます
このフローの中で最も重要なのはステップ2の台本作成とステップ6の効果検証です。台本の仮説精度が高ければ初期から成果が出やすく、効果検証のサイクルが速ければ成果の最大化も早くなります。制作会社を比較する際は、この2つのステップに対する取り組み方を重点的にヒアリングしましょう。
契約前のチェックリスト
制作会社と契約する前に、以下の項目を確認しておくことでトラブルを未然に防げます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著作権の帰属 | 納品された動画の著作権は広告主側に帰属するか、制作会社との共有か。二次利用(他媒体での配信・LP掲載等)の可否も確認 |
| 修正回数の上限 | 台本・動画それぞれの修正回数に制限があるか。上限を超えた場合の追加費用はいくらか |
| 素材の権利処理 | 演者の肖像権(使用期間・使用媒体の範囲)、BGM・フォントのライセンス、ストック素材の商用利用許可が適切に処理されているか |
| 解約条件 | 月額固定や成果報酬型の場合、最低契約期間はあるか。中途解約時のペナルティや精算方法はどうなるか |
| 機密保持 | 広告主の商材情報やマーケティングデータの取り扱いについて、秘密保持契約(NDA)が締結されるか |
| レポーティング | 定期的な成果レポートの提出があるか。レポートの頻度・フォーマット・含まれる指標は何か |
| 納品形式 | 動画ファイルの形式(MP4・MOV等)、解像度、納品方法(クラウドストレージ等)を事前に合意しているか |
まとめ
縦型動画広告の制作費は、依頼先・撮影手法・本数・契約形態の組み合わせで1本1万円〜50万円まで大きく変動します。適正価格を見極めるには、「1本あたりの単価」だけでなく、本数のスケールメリット、契約形態、見積もりに含まれる項目をトータルで比較することが重要です。
特に、縦型動画広告は量産と高速PDCAが前提の広告手法であるため、1本の完成度よりも「何本テストできるか」「継続的に改善できるか」が成果を左右します。単発発注で1本に高いコストをかけるよりも、パッケージや月額固定、成果報酬型を活用してテスト量と継続性を確保するほうが、結果的にCPI・CPA効率の高い運用につながります。
本記事の情報源について
本記事は株式会社ZVAの自社運用実績および制作実務に基づく内容です。外部の統計・調査に依拠した記述は含んでいません。記載の数値(本数・工数・単価・改善率など)は自社実績に基づく参考値であり、案件条件により変動します。