TikTok広告の標準イベント一覧|
設置コード・パラメータ対応表【2026年最新】
TikTok広告のコンバージョン計測で使う標準イベント18種類を、公式仕様に基づいて一覧化しました。イベント別の推奨パラメータ、パラメータのデータ型、ttq.trackの設置コード、Advanced Matchingの正規化ルール、Events APIと併用する際のevent_id重複排除まで、実装者がそのまま参照できる形でまとめています。
この記事のポイント
- TikTok広告の標準イベントは18種類。カスタムイベントより最適化・オーディエンス作成の機能が充実している
- 購入イベントの現行名は
Purchase。CompletePaymentやClickButtonは現行の公式リストに存在しない - ROAS最適化には
valueとcurrencyが必須。欠けると入札最適化が機能しない - PixelとEvents APIを併用するなら、両方に同じ
event_idを渡して重複排除する content_idsは単一IDを送る場合でも末尾のsが必要
TikTokピクセルおよびEvents APIで共通して使える標準イベントの要点。詳細は本文の一覧表を参照してください。
標準イベントとカスタムイベントの違い
TikTokの標準イベントは、TikTokがあらかじめ名称を定義している18種類のイベントです。レポート、コンバージョン最適化、オーディエンス作成に利用でき、TikTokピクセルとEvents APIの両方で共通して使えます。
一方カスタムイベントは、標準イベントに当てはまらない独自の行動を任意の名称で計測する仕組みです。柔軟ですが、標準イベントほど最適化機能が充実していません。計測したい行動が標準イベントに存在するなら、必ず標準イベントを使ってください。名称を独自に決めてしまうと、後から入札最適化の対象イベントとして選べなくなります。
標準イベント一覧【18種類】
2026年9月時点の公式ドキュメントに基づく一覧です。発火タイミングは代表的な例で、実際の設置箇所は自社のコンバージョン定義に合わせて設計します。
| イベント名 | 発火タイミング | 推奨パラメータ | 主な用途 |
|---|---|---|---|
ViewContent | 商品詳細ページやLPなど特定ページの閲覧 | content_type / content_ids / quantity / description / currency / value | ファネル上部の計測、リターゲティング母集団の形成 |
Search | サイト内検索の実行 | search_string | 検索意図の把握、需要のあるキーワードの発見 |
AddToWishlist | お気に入り・ほしい物リストへの追加 | — | 検討段階のユーザーの抽出 |
AddToCart | カートへの商品追加 | content_type / content_ids / quantity / description / currency / value | ECの中間コンバージョン。カート落ち分析の起点 |
InitiateCheckout | 決済フローの開始 | — | カート落ちの分析 |
AddPaymentInfo | 決済時の支払い情報の入力 | — | 決済離脱の切り分け |
Purchase | 購入の完了 | content_type / content_ids / quantity / description / currency / value | 最重要コンバージョン。ROAS最適化の基礎 |
CompleteRegistration | 会員登録の完了 | — | リード獲得の計測 |
SubmitForm | フォームの送信 | — | 問い合わせ・資料請求の計測 |
Contact | 電話・メール・フォームでの問い合わせ | — | 問い合わせ数の計測 |
Subscribe | サブスクリプション・フォロー・購読の登録 | — | 継続課金の計測 |
StartTrial | 無料トライアルの開始 | content_ids / currency / value | SaaS・アプリの試用計測 |
SubmitApplication | 申込の送信 | — | 金融・不動産など申込型商材の計測 |
ApplicationApproval | 申込の承認 | — | 審査通過を伴う商材の成果計測 |
Download | 資料・アプリなどのダウンロード | — | ダウンロード数の計測 |
Schedule | 予約・アポイントの確定 | — | 来店・商談予約の計測 |
FindLocation | 店舗・拠点の検索 | — | 来店意向の把握 |
CustomizeProduct | 商品のカスタマイズ | — | オーダーメイド商材の検討度の計測 |
実装時の注意:古いイベント名が広く出回っています
日本語の解説記事では購入イベントを CompletePayment、ボタンクリックを ClickButton と記載しているものが多く見られますが、現行の公式標準イベント一覧にこれらは掲載されていません。購入は Purchase を使います。既存の実装がある場合は、イベントマネージャーで実際に受信しているイベント名を確認してください。名称が公式リストと一致していないと、カスタムイベント扱いになり最適化の選択肢に現れません。
パラメータ一覧とデータ型
イベントと一緒に送る補足情報がパラメータです。何を送るかで、使える最適化の種類が変わります。
| パラメータ | データ型 | 説明 | 必須となる条件 |
|---|---|---|---|
content_type | String | product または product_group。sku_id を送るなら product、item_group_id を送るなら product_group | 動画ショッピング広告(VSA)で必須 |
contents | Array<Object> | 商品情報を持つオブジェクトの配列。複数商品を1イベントで送る場合に使う | VSAで必須 |
content_ids | String / Array | 商品・コンテンツの一意なID。カタログの sku_id / item_group_id と一致させる | VSAで必須。末尾のsが必要 |
content_name | String | ページまたは商品の名称 | 任意 |
content_category | String | ページまたは商品の分類 | 任意 |
price | Number | 単品の価格 | ROAS・価値ベース最適化で必須 |
value | Number | 注文全体の合計金額 | ROAS・価値ベース最適化で必須 |
quantity | Number | 点数 | 任意 |
currency | String | ISO 4217 の通貨コード(JPY など)。100以上の通貨に対応 | ROASで必須 |
search_string | String | ユーザーが入力した検索文字列 | Search イベントで使用 |
description | String | 商品やページの説明文 | 任意 |
status | String | 注文・商品・サービスのステータス | 更新には Events API が必要な場合がある |
delivery_category | String | 受取方法(店頭受取・宅配など)の区別 | 任意 |
customer_type | String | new または returning。新規顧客と既存顧客の区別 | 任意 |
attribution_share | Number | 0.0〜1.0。TikTokに帰属させるコンバージョン貢献度の割合 | 任意 |
目的別に見た「最低限これは送る」パラメータ
- コンバージョン数の最適化だけ:パラメータなしでも動作する
- ROAS最適化・価値ベース最適化:
valueとcurrencyが必須 - 動画ショッピング広告(VSA)・カタログ連携:
content_typecontent_idscontentsが必須 - 新規顧客獲得の最適化:
customer_typeに new / returning を渡す
設置コードの書き方
ピクセルのベースコードを設置したうえで、計測したい行動のタイミングで ttq.track() を呼び出します。第1引数がイベント名、第2引数がパラメータのオブジェクトです。下のジェネレータでイベントとパラメータを選ぶと、そのままコピーできるコードが生成されます。
チェックを入れたパラメータだけが出力されます。紫色の項目はそのイベントの推奨パラメータです。「HTMLに貼る」はGTMのカスタムHTMLタグにもそのまま使えます。既存のJavaScript内に組み込む場合は「JSに書く」を選んでください。Events APIの event_source_id はピクセルコード、user 内の識別子はSHA-256ハッシュ値に置き換えてください。
基本形
ttq.track('イベント名', {
パラメータ名: 値,
...
});
購入完了(Purchase)
ttq.track('Purchase', {
content_type: 'product',
content_ids: ['SKU-1024'],
content_name: 'ワイヤレスイヤホン',
quantity: 1,
price: 12800,
value: 12800,
currency: 'JPY'
});
カート追加(AddToCart)
ttq.track('AddToCart', {
content_type: 'product',
content_ids: ['SKU-1024'],
quantity: 1,
price: 12800,
value: 12800,
currency: 'JPY'
});
会員登録・フォーム送信(CompleteRegistration / SubmitForm)
ttq.track('CompleteRegistration', {
content_name: '無料会員登録'
});
サイト内検索(Search)
ttq.track('Search', {
search_string: 'ワイヤレスイヤホン'
});
複数商品をまとめて送る場合
1回のイベントで複数商品を扱うときは contents 配列を使います。value には合計金額を入れます。
ttq.track('Purchase', {
content_type: 'product',
contents: [
{ content_id: 'SKU-1024', quantity: 1, price: 12800 },
{ content_id: 'SKU-2048', quantity: 2, price: 3200 }
],
value: 19200,
currency: 'JPY'
});
Advanced Matching(ttq.identify)
メールアドレスや電話番号などの識別子を送ることで、TikTok側のユーザーとの照合率が上がります。ttq.identify() は ttq.track() より前に呼び出します。
ttq.identify({
email: 'user@example.com',
phone_number: '+819012345678',
external_id: 'CUST-000123'
});
ttq.track('CompleteRegistration');
平文で渡した場合、TikTokのライブラリがブラウザ内でSHA-256ハッシュ化してから送信します。自前でハッシュ化済みの値を送るなら sha256_email / sha256_phone_number / sha256_external_id を使います。
ハッシュ化前の正規化ルール
- メールアドレス:すべて小文字化し、前後の空白を除去する。それ以外の加工はしない
- 電話番号:E.164形式(
+{国番号}{電話番号}、日本なら+8190…)に正規化する - ハッシュアルゴリズム:SHA-256のみ。MD5やSHA-1は受け付けられない
正規化を省くとハッシュ値が一致せず、照合率が落ちます。金融・医療など規制の強い業種では、ページ上のフォームを自動検出する自動Advanced Matchingではなく、送信対象を明示する手動設定が推奨されています。意図しない項目が送信されるリスクを避けるためです。
Events APIとの併用とevent_idによる重複排除
ピクセルはブラウザ側、Events APIはサーバー側からイベントを送ります。広告ブロッカーやITPの影響を受けにくいため、TikTokは両方の併用を推奨しています。ただし同じ行動を二重に送ることになるため、重複排除の設定が必須です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンドポイント | https://business-api.tiktok.com/open_api/v1.3/event/track/(Events API 2.0) |
| 認証 | アクセストークンを Authorization ヘッダーに Bearer 形式で付与 |
| event_source | web / app / offline / crm のいずれか |
| event_source_id | web の場合はピクセルコードを指定 |
| event_id | 重複排除のキー。Pixel側と同じ値を渡す |
重複排除が成立する条件
同一の event_source_id・イベント種別・event_id の組み合わせで届いたイベントが対象です。
| 組み合わせ | 時間窓 | 挙動 |
|---|---|---|
| Pixel同士 | 48時間以内 | 最初に受信したイベントを採用し、以降を破棄 |
| Events API同士 | 48時間以内 | 最初に受信したイベントを採用し、以降を破棄 |
| Pixel と Events API | 5分経過後〜48時間以内 | 最初のイベントに統合または重複排除される |
event_id は自社側で発番し、同じ行動に対してPixelとEvents APIで必ず同一の値を渡します。注文IDやセッションIDとタイムスタンプを組み合わせるのが一般的です。片方にしか付けていないと重複排除されず、コンバージョンが二重計上されます。
よくある実装ミスと確認方法
- 現行にないイベント名を使っている:
CompletePaymentClickButtonなど。カスタムイベント扱いになり最適化対象に出てこない content_idsの s が抜けている:単一IDでも複数形が必要。カタログ連携が機能しなくなるvalue/currencyがない:コンバージョン数は取れてもROAS最適化が使えないevent_idがPixel側だけ:Events APIとの重複排除が成立せず二重計上される- ハッシュ前の正規化漏れ:メールの大文字混在、電話番号のハイフン残りで照合率が落ちる
- SPAでページ遷移時にイベントが発火しない:ルーティング変更を検知して明示的に呼び出す必要がある
実装後は必ずTikTok Pixel Helperとイベントマネージャーのテスト機能で、イベント名とパラメータの両方が意図どおり受信されているかを確認してください。イベントが届いていても、パラメータが欠けていれば最適化は機能しません。
出典
本記事の仕様はすべて以下の一次情報に基づいています。仕様は更新されるため、実装前に必ず最新版をご確認ください。
- Standard Events and Parameters|TikTok Ads Manager Help 標準イベント18種類の正式名称と、イベント別の推奨パラメータ
- About Parameters|TikTok Ads Manager Help 各パラメータのデータ型・説明・必須となる条件
- Advanced Matching for Web|TikTok Ads Manager Help SHA-256ハッシュ化、小文字化・E.164正規化の要件、手動設定の推奨条件
- About Event Deduplication|TikTok Ads Manager Help event_idによる重複排除の成立条件と48時間・5分の時間窓
- About Events API|TikTok For Business Events APIの位置づけと、ピクセルとの併用が推奨される理由
- About Custom Events|TikTok Ads Manager Help 標準イベントとカスタムイベントの使い分け
- TikTok API for Business 開発者ドキュメント Events APIのリクエスト仕様の一次情報。JavaScriptで描画されるため本記事執筆時点では本文の機械的な引用ができず、リクエスト構造については下記2件の実装ドキュメントで裏付けを取っています
- TikTok Events Connector|Tealium Docs
エンドポイント
/open_api/v1.3/event/track/と data 配下のフィールド構成 - TikTok Events API|Commanders Act data[].user / data[].page / data[].properties の階層構造(上記と独立に一致を確認)
製品名は「Events API 2.0」ですが、エンドポイントのパスは /open_api/v1.3/event/track/ です。2.0はイベント連携の仕組みの世代を指し、v1.3はMarketing APIのバージョンを指すため、この2つの数字は別物です。古い記事にある /open_api/v1.2/pixel/track/ は旧世代のエンドポイントなので、新規実装では使いません。
まとめ
標準イベントは18種類。この中に該当する行動があるなら、必ず公式の名称をそのまま使うことが原則です。加えて、目的とする最適化に必要なパラメータを漏らさず渡すこと、PixelとEvents APIを併用するなら event_id を揃えることが実装の要点になります。
計測設計は一度組んだら終わりではなく、商材やLPの変更に合わせて見直しが必要です。イベント名やパラメータの仕様も更新されるため、実装前に公式ドキュメントで最新の定義を確認することをおすすめします。
参考資料・出典
各プラットフォームの仕様・管理画面の名称は変更される場合があります。実務では必ず公式ドキュメントの最新版をご確認ください。上記の一次情報に基づかない制作・運用上の数値(本数・工数・単価・改善率など)は、株式会社ZVAの自社運用実績に基づく参考値であり、案件条件により変動します。