TikTok Search Ads(検索広告)とは?
設定方法と検索意図に合わせたクリエイティブ設計
TikTokは「おすすめ」フィードで動画を受動的に楽しむだけのプラットフォームではなくなりつつあります。検索バーを使って能動的に情報を探すユーザーが増加しており、その検索結果に広告を配信できるのがTikTok Search Adsです。本記事では、Search Adsの仕組みから設定方法、検索意図を活かしたクリエイティブ設計まで実践的に解説します。
この記事のポイント
- TikTok Search Adsは検索結果に表示される広告。能動的に情報を探すユーザーにリーチでき、インフィード広告よりCVRが高くなりやすい
- 設定はSearch Ads Toggleをオンにするだけで開始可能。キーワードの手動設定で精度をさらに高められる
- 検索意図に「直接回答」するクリエイティブ設計と、インフィード広告との併用戦略が成果最大化の鍵
TikTok Search Adsとは
TikTok Search Adsは、TikTokアプリ内の検索結果ページに表示される広告フォーマットです。ユーザーがTikTokの検索バーにキーワードを入力して検索した際、オーガニックの検索結果に混じる形で広告動画が配信されます。
GoogleやYahoo!の検索連動型広告(リスティング広告)と同様に、ユーザーの「調べたい」「知りたい」という能動的な検索意図に対してアプローチできる点が最大の特徴です。TikTokの公式データによると、ユーザーの約57%がTikTokの検索機能を利用しており、特にZ世代では「まずTikTokで検索する」という行動が定着しつつあります。
Search Adsは2023年にグローバルで正式にローンチされ、日本でも利用可能です。TikTok Ads Managerから既存のインフィード広告キャンペーンに追加する形で簡単に配信を開始できます。
インフィード広告との違い:プッシュ型 vs プル型
TikTok広告の主力であるインフィード広告とSearch Adsでは、ユーザーとの接点が根本的に異なります。
- インフィード広告(プッシュ型):「おすすめ」フィードをスクロールしているユーザーに対して広告を配信します。ユーザーは受動的に動画を消費しているため、まず「目を止めさせる」フックが不可欠です。リーチは広いですが、コンバージョンまでの距離がやや遠い傾向があります
- Search Ads(プル型):ユーザー自身がキーワードを入力して検索した結果に対して広告が表示されます。すでに「知りたい」「比較したい」「試したい」という意図を持っているため、コンバージョンに近い状態でリーチできます
つまり、インフィード広告が「認知・興味」のフェーズで強い一方、Search Adsは「検討・行動」のフェーズで効果を発揮します。両者は競合するものではなく、ファネルの異なる段階をカバーする補完関係にあります。
Search Adsの設定方法
方法1:Search Ads Toggle(トグル)を使う
最も手軽な方法です。既存のインフィード広告キャンペーンに対して、Search Adsの配信面を追加します。
- TikTok Ads Managerにログインし、対象のキャンペーンを開く
- 広告グループの編集画面に進み、「配置」セクションを確認する
- 「Search Ads Toggle」をオンにする
- キーワードの設定(任意)を行い、保存する
Toggleをオンにするだけで、TikTokのアルゴリズムが広告の内容を解析し、関連する検索クエリに対して自動的に配信を開始します。予算はインフィード広告と共有されるため、追加の予算設定は不要です。
方法2:検索広告専用キャンペーンを作成する
より細かく予算やクリエイティブを管理したい場合は、検索広告専用のキャンペーンを別途作成する方法もあります。
- 新規キャンペーンを作成し、目的(コンバージョン、アプリインストール等)を選択
- 広告グループの配置で「検索結果」を選択
- キーワードの設定とマッチタイプの選択を行う
- 検索面専用のクリエイティブを登録して配信開始
この方法では予算をインフィードと分離管理できるため、検索広告単体の費用対効果を正確に把握できます。
キーワード設定のオプション
Search Adsでは以下のキーワード設定が可能です。
- 自動マッチング:キーワードを指定せず、TikTokのアルゴリズムに任せる。手間が少なく、予想外の検索クエリからのコンバージョンも拾える
- 手動キーワード設定:広告を表示したい検索クエリを個別に指定。精度は高いが、網羅性に注意が必要
- 除外キーワード:無関係な検索クエリへの配信を防ぎ、無駄なコストを抑制
運用初期は自動マッチング+手動キーワードの併用で開始し、配信データを見ながら除外キーワードを追加していくのが効率的です。
検索意図に合わせたクリエイティブ設計
Search Adsで成果を出すうえで最も重要なのが、検索意図を反映したクリエイティブを用意することです。インフィード広告とは異なり、ユーザーはすでに「何を知りたいか」が明確なため、その問いに正面から応える構成が求められます。
検索意図の3分類
- 情報探索型(Know):「○○ とは」「○○ やり方」。知識を得たいユーザー。ハウツーや解説型コンテンツが効果的
- 比較検討型(Consider):「○○ おすすめ」「○○ 比較」「○○ 口コミ」。選択肢を絞りたいユーザー。実績やレビュー風の構成が刺さる
- 行動直前型(Do):「○○ ダウンロード」「○○ 申し込み」「○○ クーポン」。今すぐ行動したいユーザー。CTAを明確にした短尺動画が有効
クリエイティブ設計の4つのポイント
- 冒頭で検索意図に回答する:インフィード広告では「フックで引き込む」のがセオリーですが、検索広告では冒頭2秒で検索キーワードに対する回答を提示するほうが効果的です。「○○を探してる人、これ一択です」のような直球の入りが有効です
- テキストオーバーレイにキーワードを含める:ユーザーが検索したキーワードが動画内のテキストに含まれていると、関連性を直感的に認識でき、視聴継続率が向上します
- 具体的な数字・実績を入れる:検索ユーザーは比較・判断のための情報を求めています。「3日で届く」「満足度96%」といった具体的な数値が信頼性を高めます
- CTAを明確にする:検索ユーザーは行動意欲が高いため、「リンクから無料で試せます」「プロフィールから詳細をチェック」といった具体的な次のアクションを提示しましょう
キーワード選定のポイント
Search Adsの成果はキーワード選定の精度に大きく左右されます。以下の観点で選定しましょう。
ブランドキーワード
自社ブランド名やサービス名で検索するユーザーは、すでに認知・興味を持っている状態です。CVRが最も高くなりやすいキーワード群であり、競合に奪われないよう優先的に押さえるべきです。
カテゴリキーワード
「ダイエット アプリ」「英会話 おすすめ」のようなカテゴリ名を含むキーワードです。ボリュームは大きいですが競合も多いため、クリエイティブの差別化が鍵になります。
課題・悩みキーワード
「肌荒れ 治し方」「貯金 できない」のような、ユーザーが抱える具体的な課題に関連するキーワードです。直接的なサービス検索ではないぶん競合が少なく、課題解決の文脈で自社サービスを提案できれば高い効果が期待できます。
競合キーワード
競合サービス名で検索するユーザーに対して自社の広告を表示する手法です。比較検討フェーズのユーザーにリーチできますが、ブランド毀損のリスクもあるため、クリエイティブの内容には注意が必要です。
検索広告の効果測定
Search Adsのパフォーマンスを正しく評価するために、以下の指標を確認しましょう。
- 検索インプレッション数:検索結果ページで広告が表示された回数。キーワードのボリュームと関連性の指標
- CTR(クリック率):検索面でのCTRはインフィード広告より高くなる傾向があります。2〜5%が一つの目安
- CVR(コンバージョン率):検索意図のあるユーザーは行動確度が高いため、インフィード広告比で1.5〜3倍のCVRが報告されています
- CPA/CPI:最終的な成果単価。検索広告はCVRが高い分、CPAが改善しやすい
- 検索クエリレポート:実際にどのような検索クエリで広告が表示・クリックされたかを確認。キーワードの追加・除外判断に活用
TikTok Ads Managerの「配置別レポート」を使えば、インフィード面と検索面のパフォーマンスを分離して比較分析できます。定期的に確認し、検索面のCPA効率が良いキーワードに予算を寄せる運用が効果的です。
インフィード × 検索の併用戦略
Search Adsの真価は、インフィード広告との併用で発揮されます。両者を組み合わせたファネル設計が、TikTok広告全体の成果を最大化します。
ファネルの上流と下流をカバーする
インフィード広告でリーチしたユーザーの一部は、興味を持った後にTikTok内で検索行動を取ります。このとき、Search Adsが表示されることで、「認知→検索→コンバージョン」というファネルを一つのプラットフォーム内で完結させることができます。
併用のベストプラクティス
- インフィードで認知を取る:フックの強いクリエイティブで興味を喚起し、ブランド名やサービス名を記憶に残す
- 検索面で刈り取る:インフィード広告を見て検索したユーザーに対して、より詳細な情報や明確なCTAを提示する
- クリエイティブを使い分ける:インフィード用は「フック重視」、検索用は「回答・解説重視」と、同じ商材でもトーンを変える
- データを横断的に分析する:インフィード広告の出稿量を増やした時期に検索ボリュームが増加しているか、検索広告のCVRに変化があるかを併せて確認する
検索面まで見据えたクリエイティブ量産がカギ:インフィード用と検索用で異なるクリエイティブが必要になるため、制作の負荷は増大します。ZVAなら最短ご発注から3営業日で広告配信を開始でき、1か月で59本のクリエイティブを制作・配信した事例もあります。成果報酬型のため、成果が出たクリエイティブにだけ費用が発生する仕組みです。
まとめ
TikTok Search Adsは、これまでインフィード広告だけではリーチしきれなかった「能動的に情報を探しているユーザー」に広告を届けられる強力なフォーマットです。検索意図を持つユーザーはコンバージョンに近い状態にあるため、適切なキーワード選定とクリエイティブ設計を行えば、CPA改善に直結します。
まずはSearch Ads Toggleをオンにしてインフィード広告に検索面を追加し、データを蓄積するところから始めましょう。検索クエリレポートを分析しながらキーワードを最適化し、検索意図に合わせた専用クリエイティブを投入することで、TikTok広告全体の成果を一段引き上げることができます。