運用実務 2026.04.11

TikTok Search Ads(検索広告)とは?
設定方法と検索意図に合わせたクリエイティブ設計

TikTokは「おすすめ」フィードで動画を受動的に楽しむだけのプラットフォームではなくなりつつあります。検索バーを使って能動的に情報を探すユーザーが増加しており、その検索結果に広告を配信できるのがTikTok Search Adsです。本記事では、Search Adsの仕組みから設定方法、検索意図を活かしたクリエイティブ設計まで実践的に解説します。

この記事のポイント

  • TikTok Search Adsは検索結果に表示される広告。能動的に情報を探すユーザーにリーチでき、インフィード広告よりCVRが高くなりやすい
  • 設定はSearch Ads Toggleをオンにするだけで開始可能。キーワードの手動設定で精度をさらに高められる
  • 検索意図に「直接回答」するクリエイティブ設計と、インフィード広告との併用戦略が成果最大化の鍵

TikTok Search Adsとは

TikTok Search Adsは、TikTokアプリ内の検索結果ページに表示される広告フォーマットです。ユーザーがTikTokの検索バーにキーワードを入力して検索した際、オーガニックの検索結果に混じる形で広告動画が配信されます。

GoogleやYahoo!の検索連動型広告(リスティング広告)と同様に、ユーザーの「調べたい」「知りたい」という能動的な検索意図に対してアプローチできる点が最大の特徴です。TikTokの公式データによると、ユーザーの約57%がTikTokの検索機能を利用しており、特にZ世代では「まずTikTokで検索する」という行動が定着しつつあります。

Search Adsは2023年にグローバルで正式にローンチされ、日本でも利用可能です。TikTok Ads Managerから既存のインフィード広告キャンペーンに追加する形で簡単に配信を開始できます。

インフィード広告との違い:プッシュ型 vs プル型

TikTok広告の主力であるインフィード広告とSearch Adsでは、ユーザーとの接点が根本的に異なります。

  • インフィード広告(プッシュ型):「おすすめ」フィードをスクロールしているユーザーに対して広告を配信します。ユーザーは受動的に動画を消費しているため、まず「目を止めさせる」フックが不可欠です。リーチは広いですが、コンバージョンまでの距離がやや遠い傾向があります
  • Search Ads(プル型):ユーザー自身がキーワードを入力して検索した結果に対して広告が表示されます。すでに「知りたい」「比較したい」「試したい」という意図を持っているため、コンバージョンに近い状態でリーチできます

つまり、インフィード広告が「認知・興味」のフェーズで強い一方、Search Adsは「検討・行動」のフェーズで効果を発揮します。両者は競合するものではなく、ファネルの異なる段階をカバーする補完関係にあります。

Search Adsの設定方法

方法1:Search Ads Toggle(トグル)を使う

最も手軽な方法です。既存のインフィード広告キャンペーンに対して、Search Adsの配信面を追加します。

  1. TikTok Ads Managerにログインし、対象のキャンペーンを開く
  2. 広告グループの編集画面に進み、「配置」セクションを確認する
  3. 「Search Ads Toggle」をオンにする
  4. キーワードの設定(任意)を行い、保存する

Toggleをオンにするだけで、TikTokのアルゴリズムが広告の内容を解析し、関連する検索クエリに対して自動的に配信を開始します。予算はインフィード広告と共有されるため、追加の予算設定は不要です。

方法2:検索広告専用キャンペーンを作成する

より細かく予算やクリエイティブを管理したい場合は、検索広告専用のキャンペーンを別途作成する方法もあります。

  1. 新規キャンペーンを作成し、目的(コンバージョン、アプリインストール等)を選択
  2. 広告グループの配置で「検索結果」を選択
  3. キーワードの設定とマッチタイプの選択を行う
  4. 検索面専用のクリエイティブを登録して配信開始

この方法では予算をインフィードと分離管理できるため、検索広告単体の費用対効果を正確に把握できます。

キーワード設定のオプション

Search Adsでは以下のキーワード設定が可能です。

  • 自動マッチング:キーワードを指定せず、TikTokのアルゴリズムに任せる。手間が少なく、予想外の検索クエリからのコンバージョンも拾える
  • 手動キーワード設定:広告を表示したい検索クエリを個別に指定。精度は高いが、網羅性に注意が必要
  • 除外キーワード:無関係な検索クエリへの配信を防ぎ、無駄なコストを抑制

運用初期は自動マッチング+手動キーワードの併用で開始し、配信データを見ながら除外キーワードを追加していくのが効率的です。

検索意図に合わせたクリエイティブ設計

Search Adsで成果を出すうえで最も重要なのが、検索意図を反映したクリエイティブを用意することです。インフィード広告とは異なり、ユーザーはすでに「何を知りたいか」が明確なため、その問いに正面から応える構成が求められます。

検索意図の3分類

  • 情報探索型(Know):「○○ とは」「○○ やり方」。知識を得たいユーザー。ハウツーや解説型コンテンツが効果的
  • 比較検討型(Consider):「○○ おすすめ」「○○ 比較」「○○ 口コミ」。選択肢を絞りたいユーザー。実績やレビュー風の構成が刺さる
  • 行動直前型(Do):「○○ ダウンロード」「○○ 申し込み」「○○ クーポン」。今すぐ行動したいユーザー。CTAを明確にした短尺動画が有効

クリエイティブ設計の4つのポイント

  1. 冒頭で検索意図に回答する:インフィード広告では「フックで引き込む」のがセオリーですが、検索広告では冒頭2秒で検索キーワードに対する回答を提示するほうが効果的です。「○○を探してる人、これ一択です」のような直球の入りが有効です
  2. テキストオーバーレイにキーワードを含める:ユーザーが検索したキーワードが動画内のテキストに含まれていると、関連性を直感的に認識でき、視聴継続率が向上します
  3. 具体的な数字・実績を入れる:検索ユーザーは比較・判断のための情報を求めています。「3日で届く」「満足度96%」といった具体的な数値が信頼性を高めます
  4. CTAを明確にする:検索ユーザーは行動意欲が高いため、「リンクから無料で試せます」「プロフィールから詳細をチェック」といった具体的な次のアクションを提示しましょう

キーワード選定のポイント

Search Adsの成果はキーワード選定の精度に大きく左右されます。以下の観点で選定しましょう。

ブランドキーワード

自社ブランド名やサービス名で検索するユーザーは、すでに認知・興味を持っている状態です。CVRが最も高くなりやすいキーワード群であり、競合に奪われないよう優先的に押さえるべきです。

カテゴリキーワード

「ダイエット アプリ」「英会話 おすすめ」のようなカテゴリ名を含むキーワードです。ボリュームは大きいですが競合も多いため、クリエイティブの差別化が鍵になります。

課題・悩みキーワード

「肌荒れ 治し方」「貯金 できない」のような、ユーザーが抱える具体的な課題に関連するキーワードです。直接的なサービス検索ではないぶん競合が少なく、課題解決の文脈で自社サービスを提案できれば高い効果が期待できます。

競合キーワード

競合サービス名で検索するユーザーに対して自社の広告を表示する手法です。比較検討フェーズのユーザーにリーチできますが、ブランド毀損のリスクもあるため、クリエイティブの内容には注意が必要です。

検索広告の効果測定

Search Adsのパフォーマンスを正しく評価するために、以下の指標を確認しましょう。

  • 検索インプレッション数:検索結果ページで広告が表示された回数。キーワードのボリュームと関連性の指標
  • CTR(クリック率):検索面でのCTRはインフィード広告より高くなる傾向があります。2〜5%が一つの目安
  • CVR(コンバージョン率):検索意図のあるユーザーは行動確度が高いため、インフィード広告比で1.5〜3倍のCVRが報告されています
  • CPA/CPI:最終的な成果単価。検索広告はCVRが高い分、CPAが改善しやすい
  • 検索クエリレポート:実際にどのような検索クエリで広告が表示・クリックされたかを確認。キーワードの追加・除外判断に活用

TikTok Ads Managerの「配置別レポート」を使えば、インフィード面と検索面のパフォーマンスを分離して比較分析できます。定期的に確認し、検索面のCPA効率が良いキーワードに予算を寄せる運用が効果的です。

インフィード × 検索の併用戦略

Search Adsの真価は、インフィード広告との併用で発揮されます。両者を組み合わせたファネル設計が、TikTok広告全体の成果を最大化します。

ファネルの上流と下流をカバーする

インフィード広告でリーチしたユーザーの一部は、興味を持った後にTikTok内で検索行動を取ります。このとき、Search Adsが表示されることで、「認知→検索→コンバージョン」というファネルを一つのプラットフォーム内で完結させることができます。

併用のベストプラクティス

  1. インフィードで認知を取る:フックの強いクリエイティブで興味を喚起し、ブランド名やサービス名を記憶に残す
  2. 検索面で刈り取る:インフィード広告を見て検索したユーザーに対して、より詳細な情報や明確なCTAを提示する
  3. クリエイティブを使い分ける:インフィード用は「フック重視」、検索用は「回答・解説重視」と、同じ商材でもトーンを変える
  4. データを横断的に分析する:インフィード広告の出稿量を増やした時期に検索ボリュームが増加しているか、検索広告のCVRに変化があるかを併せて確認する

検索面まで見据えたクリエイティブ量産がカギ:インフィード用と検索用で異なるクリエイティブが必要になるため、制作の負荷は増大します。ZVAなら最短ご発注から3営業日で広告配信を開始でき、1か月で59本のクリエイティブを制作・配信した事例もあります。成果報酬型のため、成果が出たクリエイティブにだけ費用が発生する仕組みです。

まとめ

TikTok Search Adsは、これまでインフィード広告だけではリーチしきれなかった「能動的に情報を探しているユーザー」に広告を届けられる強力なフォーマットです。検索意図を持つユーザーはコンバージョンに近い状態にあるため、適切なキーワード選定とクリエイティブ設計を行えば、CPA改善に直結します。

まずはSearch Ads Toggleをオンにしてインフィード広告に検索面を追加し、データを蓄積するところから始めましょう。検索クエリレポートを分析しながらキーワードを最適化し、検索意図に合わせた専用クリエイティブを投入することで、TikTok広告全体の成果を一段引き上げることができます。

よくある質問

TikTok Search Adsとインフィード広告はどちらを先に始めるべきですか?
まずはインフィード広告から始めることをおすすめします。インフィード広告で十分な配信データとコンバージョン実績を蓄積したうえで、Search Ads Toggleをオンにして検索面にも配信を拡張するのが効率的です。検索広告は能動的に情報を探しているユーザーにリーチできるため、インフィードとの併用でCVR向上が期待できます。
TikTok Search Adsのキーワード設定は必須ですか?
キーワード設定は必須ではありません。Search Ads Toggleをオンにするだけで、TikTokのアルゴリズムが広告内容に関連する検索クエリに自動でマッチングします。ただし、キーワードを手動で設定することで、特定の検索意図を持つユーザーに対してより精度の高い配信が可能になります。自動マッチングと手動設定を併用するのが効果的です。
TikTok Search Adsの費用はインフィード広告と別にかかりますか?
Search Ads Toggleを使う場合、インフィード広告と同じキャンペーン予算から配信されるため、追加の予算設定は不要です。ただし、検索面への配信分だけ全体の消化ペースが早まる可能性があるため、予算配分には注意が必要です。検索広告専用キャンペーンを別途作成し、予算を分離管理する運用も選択できます。
検索広告向けのクリエイティブはインフィード広告と分けるべきですか?
理想的には分けるべきです。インフィード広告は受動的に閲覧するユーザー向けのため「興味を引くフック」が重要ですが、検索広告は能動的に情報を探しているユーザー向けのため「検索意図に対する直接的な回答」を冒頭に置くほうが効果的です。ただし、運用初期はインフィード用クリエイティブをそのまま検索面にも配信し、データが溜まった段階で検索専用クリエイティブを制作するアプローチでも問題ありません。

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※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の広告成果やパフォーマンスを保証するものではありません。記載されている数値・相場・ベンチマークは公開情報および当社の運用実績に基づく参考値であり、実際の成果は商材・市場環境・運用条件等により異なります。広告運用に関する意思決定は、ご自身の責任において行ってください。