TikTokカスタムオーディエンスの作り方|
CRM・アプリイベント・サイト訪問の活用法
TikTok広告で成果を伸ばすうえで欠かせないのが「カスタムオーディエンス」です。本記事では、CRMデータ・アプリイベント・ウェブサイト訪問者・エンゲージメントの4タイプについて、それぞれの作成手順から実務での活用テクニックまでを体系的に解説します。
この記事のポイント
- カスタムオーディエンスは4タイプ。CRM・アプリイベント・ウェブサイトトラフィック・エンゲージメントを目的に応じて使い分ける
- リターゲティングだけでなく、除外設定や類似オーディエンスのソースとしても活用することで費用対効果が大きく向上する
- マッチ率を高めるにはデータの鮮度と複数識別子の併用がカギ
カスタムオーディエンスとは
カスタムオーディエンスとは、広告主が保有するファーストパーティデータ(自社データ)をTikTok Ads Managerに連携して作成するオーディエンスリストのことです。通常のターゲティング(デモグラフィックや興味関心)が「TikTokが推定したユーザー属性」に基づくのに対し、カスタムオーディエンスは「自社との実際の接点」に基づくため精度が格段に高いのが特徴です。
主な用途は3つあります。
- リターゲティング:サイト訪問者やアプリ利用者に再アプローチして、コンバージョンを後押しする
- 除外配信:既存顧客やインストール済みユーザーを除外して、新規ユーザーだけに広告を配信する
- 類似オーディエンスのソース:優良顧客のデータをもとに、似た特徴を持つ新規ユーザーにリーチを広げる
TikTok Ads Managerでは「アセット」>「オーディエンス」>「カスタムオーディエンス」の画面から作成します。ここから4タイプそれぞれの作成手順を見ていきましょう。
タイプ1:CRM(顧客ファイル)
自社が保有する顧客リスト(メールアドレス、電話番号、広告IDなど)をCSVまたはTXT形式でアップロードし、TikTokユーザーとマッチングさせる方法です。
作成手順
- TikTok Ads Manager にログインし、「アセット」>「オーディエンス」に移動します
- 「カスタムオーディエンス」>「顧客ファイル」を選択します
- 「ファイルアップロード」を選び、CSV/TXTファイルをドラッグ&ドロップします
- データの種類(メールアドレス / 電話番号 / 広告ID)を指定します
- オーディエンス名を入力して「確認」をクリックします
- マッチング処理が完了するまで数時間〜最大48時間待ちます
マッチ率を高めるポイント
- 複数識別子の併用:メールアドレスだけでなく電話番号や広告ID(IDFA / GAID)も同時にアップロードすると、マッチ率が大幅に向上します。一般的に電話番号のマッチ率が最も高い傾向にあります
- データの鮮度:古い顧客リストはマッチ率が下がります。直近3〜6か月以内のアクティブデータを使いましょう
- フォーマットの統一:電話番号は国コード付き(例:+81)に統一し、メールアドレスは小文字に変換してからアップロードします
- ボリュームの確保:最低1,000件以上のリストを用意するのが推奨です。数百件では十分なマッチ数が得られず配信に活用できません
タイプ2:アプリイベント
TikTok SDKまたはMMP(AppsFlyer、Adjustなど)と連携して取得したアプリ内行動データをもとにオーディエンスを作成します。アプリ広告では最も活用頻度の高いカスタムオーディエンスです。
前提条件
- TikTok SDKがアプリに実装されている、またはMMPとのポストバック連携が完了していること
- イベント(インストール、登録、課金、チュートリアル完了など)が正しく計測されていること
作成手順
- 「アセット」>「オーディエンス」>「カスタムオーディエンス」に移動します
- 「アプリアクティビティ」を選択します
- 対象のアプリを選び、オーディエンスの条件となるイベントを指定します(例:「インストール」「チュートリアル完了」「購入」など)
- 対象期間を設定します(1〜180日の範囲で選択可能)
- オーディエンス名を付けて作成を確定します
よく使うイベント設定例
- インストール済み・未登録:アプリをインストールしたがアカウント登録を完了していないユーザー。リターゲティングで登録を促進します
- チュートリアル未完了:チュートリアルで離脱したユーザーに、続きを促すクリエイティブを配信します
- 過去30日以内の課金ユーザー:アクティブな課金ユーザーを除外して、新規インストールに集中するケースで使います
- 7日以上非アクティブ:休眠ユーザーへの復帰キャンペーンとして配信します
タイプ3:ウェブサイトトラフィック
TikTok Pixelで計測したウェブサイト訪問者のデータをもとにオーディエンスを作成します。EC・リード獲得・サービス申し込みなど、ウェブコンバージョンが目的の広告で特に威力を発揮します。
前提条件
- TikTok Pixelがサイトに正しく設置されていること(ベースコード+イベントコード)
- 十分なトラフィックデータが蓄積されていること(最低でも1,000人以上のピクセルデータが望ましい)
作成手順
- 「アセット」>「オーディエンス」>「カスタムオーディエンス」に移動します
- 「ウェブサイトトラフィック」を選択します
- 使用するPixelを選びます
- 条件を設定します。「すべての訪問者」「特定のページを訪問したユーザー」「特定のイベントを発火したユーザー」から選択できます
- 対象期間を指定します(1〜180日)
- オーディエンス名を入力して作成を確定します
URL条件の設定テクニック
「特定のページを訪問したユーザー」を選択した場合、URLの条件を以下のように指定できます。
- URLに含む:特定の文字列を含むページの訪問者を対象にします(例:「/product/」を含むURLで商品ページ訪問者を捕捉)
- URLが一致:完全一致するURLのみを対象にします。LP単位で細かくオーディエンスを分けたい場合に使います
- 複数条件の組み合わせ:「商品ページを訪問」かつ「購入完了ページを訪問していない」のように、含む条件と除外条件を組み合わせてカゴ落ちユーザーを抽出できます
タイプ4:エンゲージメント
TikTok上の自社広告や自社アカウントに対してアクションを取ったユーザーをオーディエンスとして作成します。Pixelやアプリ計測の設定が不要で、TikTok Ads Managerだけで完結するため、最も手軽に作成できるカスタムオーディエンスです。
作成手順
- 「アセット」>「オーディエンス」>「カスタムオーディエンス」に移動します
- 「エンゲージメント」を選択します
- エンゲージメントの種類を選びます
- 対象期間を設定し、オーディエンス名を付けて作成を確定します
選択できるエンゲージメントの種類
- 動画視聴:広告動画を一定秒数以上(2秒 / 6秒 / 完全視聴など)視聴したユーザー
- プロフィール訪問:広告からTikTokアカウントのプロフィールを訪問したユーザー
- いいね・コメント・シェア:広告に対してアクションを取ったユーザー
- フォロー:広告経由でアカウントをフォローしたユーザー
エンゲージメントオーディエンスは、「広告に興味を示したがコンバージョンには至らなかった」という中間層にアプローチできる点が大きな強みです。別のクリエイティブで再アプローチすることで、コンバージョン率を高められます。
活用テクニック:除外設定
カスタムオーディエンスは「配信先として使う」だけでなく、「除外先として使う」ことで広告費の無駄を大幅に削減できます。広告グループの設定画面で、ターゲティングの「除外」セクションにカスタムオーディエンスを追加するだけで設定は完了です。
代表的な除外パターン
- 既存インストールユーザーの除外:アプリイベントのカスタムオーディエンスで「インストール済みユーザー」を除外。新規インストール獲得キャンペーンでは必須の設定です
- 既存顧客の除外:CRMリストの顧客を除外し、新規リード獲得に広告費を集中させます
- コンバージョン済みユーザーの除外:すでに購入・登録を完了したユーザーへの重複配信を防止します
- 直近表示ユーザーの除外:過去7日以内に広告を完全視聴したユーザーを除外し、フリークエンシーの過剰な上昇を防ぎます
除外設定は「攻め」と「守り」の両面で使える:新規獲得キャンペーンでの既存顧客除外は「攻め」の除外(広告費を新規に集中)。一方、フリークエンシー管理は「守り」の除外(ユーザー体験の悪化を防止)です。両方をバランスよく設定することが、持続的な運用成果につながります。
活用テクニック:オーディエンスの組み合わせ
複数のカスタムオーディエンスを組み合わせることで、より精度の高いターゲティングが実現できます。
ファネル段階別の配信設計
ユーザーの行動段階に応じてオーディエンスを分け、それぞれに最適なクリエイティブを配信する方法です。
- 認知層:エンゲージメント(動画視聴6秒以上)オーディエンスに、サービスの詳細を伝えるクリエイティブを配信
- 検討層:ウェブサイトトラフィック(商品ページ訪問者)オーディエンスに、期間限定オファーや口コミを訴求
- 獲得層:ウェブサイトトラフィック(カート追加済み・未購入)オーディエンスに、リマインドクリエイティブを配信
AND / OR の使い分け
TikTok Ads Managerでは、1つの広告グループに複数のカスタムオーディエンスを「含む」として設定した場合、OR条件(いずれかに該当するユーザー)として扱われます。AND条件を実現したい場合は、オーディエンスの作成時に複数条件を組み合わせてください。
活用テクニック:類似オーディエンスのソースとして
カスタムオーディエンスの最も強力な活用法の一つが、類似オーディエンス(Lookalike Audience)のソースとして使うことです。類似オーディエンスは、ソースとなるユーザー群に行動特性が似ている新規ユーザーにリーチする機能です。
ソースの選定基準
類似オーディエンスの精度はソースの質で決まります。以下の優先順位でソースを選びましょう。
- 高LTVユーザー:課金額上位の顧客リスト(CRM)や複数回購入ユーザー(アプリイベント / ウェブサイト)。ビジネス成果に直結するため最も質が高い
- コンバージョンユーザー:インストール・登録・購入を完了した全ユーザー。ボリュームが確保しやすい
- 高エンゲージメントユーザー:動画を75%以上視聴した、CTAをクリックしたユーザー。計測未導入でも作成可能
ソースのサイズは最低1,000人以上が推奨されます。1,000人を下回ると精度が大きく低下するため、まずはカスタムオーディエンスのボリュームを育ててから類似に展開してください。
拡張度合いの設定
類似オーディエンスには「Narrow(狭い)」「Balanced(標準)」「Broad(広い)」の3段階があります。初回はBalancedで開始し、CPAが安定していればBroadに広げ、CPAが高騰すればNarrowに絞る段階的な運用が安定します。
リターゲティング戦略の設計
カスタムオーディエンスを使ったリターゲティングで成果を出すには、「誰に」「いつ」「何を」の3軸で戦略を設計することが重要です。
リターゲティング期間の最適化
オーディエンスの対象期間は短いほどユーザーの関心が高く、長いほどボリュームが増えます。商材の検討期間に応じて設定を調整してください。
- 衝動購買型(ゲーム・エンタメアプリなど):1〜7日が効果的。時間が経つとモチベーションが薄れる
- 検討購買型(EC・サブスク・金融など):7〜30日が目安。比較検討の期間を考慮する
- 高単価商材(不動産・保険など):30〜90日の長めの設定も有効。ただしクリエイティブの鮮度管理が必要
クリエイティブの出し分け
リターゲティングでは、初回接触時と同じクリエイティブを配信しても効果は限定的です。ユーザーの行動段階に応じてクリエイティブを変えることが成果の分かれ目になります。
- 広告視聴者へのリターゲティング:初回はサービスの概要を伝え、リターゲティングでは具体的なメリットや実績を訴求する
- サイト訪問者へのリターゲティング:訪問したページに関連する情報(レビュー、比較、限定オファーなど)を提示する
- カゴ落ちユーザーへのリターゲティング:購入を後押しする情報(在庫残りわずか、送料無料キャンペーンなど)で背中を押す
フリークエンシーの管理
リターゲティングの落とし穴は、同じユーザーに何度も広告を表示してしまうことです。TikTokのリターゲティングオーディエンスは母数が限られるため、フリークエンシーが過度に上昇しやすい特性があります。エンゲージメントの除外設定を活用して、適切な接触回数を維持してください。
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まとめ
TikTokカスタムオーディエンスは、CRM・アプリイベント・ウェブサイトトラフィック・エンゲージメントの4タイプを状況に応じて使い分けることで、リターゲティング・除外配信・類似拡張の3つの戦略を展開できる強力な機能です。
最も重要なのは、データの質と鮮度を担保することです。どれだけ設定を最適化しても、ソースとなるデータが古い・少ない・不正確であれば効果は出ません。まずはPixelの設置やMMPとの連携を確実に行い、質の高いデータを蓄積するところから始めましょう。
カスタムオーディエンスを戦略的に活用することで、TikTok広告のパフォーマンスは大きく変わります。自社での構築が難しい場合は、運用設計からクリエイティブ制作までを一気通貫で対応できる専門パートナーと連携することで、効率的に成果を最大化できます。